夏の思い出

8月の冷夏を取り返すかのように、残暑の長い9月でしたが、それも「暑さ、寒さも彼岸まで」の譬え通り、
台風一過、涼風が吹くようになりました。

今年の夏はどう過ごされましたか。 海へ・・・?山へ・・・・? それとも海外へ?
子供たちにはうれしい夏休みですが、お昼を作らなくてはならないお母さんやドライブをせがまれるお父さんには辛い季節。
せめて、休暇旅行の旅先ではゆっくり骨休めしましょう。

朝顔(アサガオ)

平安時代に中国から入ってきた由緒ある外来種です。日本の在来種は「昼顔」や「夕顔」でうまくタイムシェアリングできたようです。

以前はどこ家庭でも植えていたものですが、最近は余り見かけなくなりましたね。
子供たちが小学校低学の頃、夏休み前に理科の実習としてアサガオ栽培をしていましたが、今でも続いているのでしょうか。


(世田谷区千歳台)


他にもたくさんの朝顔があります。
ココをクリックしてください。

 
向日葵
(ヒマワリ)

なんと言っても夏の花の代表選手。
最近は、小型の園芸種が増えています。

(世田谷区上北沢)

リングもあります
(世田谷千歳台)
 
   海芋(カイウ)

♪夏が来れば思い出す・・・のは
尾瀬ヶ原の水芭蕉。いずれも里芋の仲間です。
カラーといった方が、分かり易いでしょうか。カラーの名は、仏炎苞が修道女の襟(カラー)に似ていることから。

南アメリカのケープ地方が原産地でオランダ船日本へ持ち込んできたのでオランダ海芋という和名がつきました。

(世田谷区松原)
 
  
百日草
(ヒャクニチソウ:ジリア)

       
百日間も花の色が褪せないことから「百日草」と言われます。このため、仏前やお墓に供えられることが多いようです。
お盆の墓参りには家の裏に咲いているこの花を供えます。


いずれも
(世田谷区祖師谷 砧図書館)
百日の花があれば、当然「千日」の花もあります。ぼんぼんのようなかわいい花です。

千日紅(センニチコウ)

(世田谷区赤堤)
 
(世田谷区松原)
  
夏の風物詩といえば・・・・・金魚売り。 「えぇ〜〜〜、きんぎょ〜〜〜〜え、きんぎょーーーーー」
そして  軒端で「チリーーン、チリーーン」と鳴る風鈴。
いつの頃からか、こうした夏の音は耳に入ってこなくなってしまいました。
金魚草(キンギョソウ) 風船蔓(フウセンカズラ)
いずれも
(世田谷区赤堤)
 
金魚売りや風鈴が夏の音なら、夏の味は・・・・・?
素麺や冷や奴に欠かせないショウガや薬味のミョウガなど。のど元も涼しくなります。
(たくさん食べると物忘れするという俗信がありますが、はたして・・・・・)
生姜(ショウガ)

(世田谷区桜上水区民農園)


茗荷(ミョウガ)→

(世田谷区祖師谷)

食用は根です。
   
風流ついでにもう一題。

その昔、男たちのパラダイスであった花の大江戸「吉原」の
お姉さん方を「花魁」と呼びましたが、
これは禿(カムロ:召使いの童女)が、「オイラんとこの姉さん」と言っていたのがなまって「オイラン」となったもの。

本物の花魁と比べてみましょう。ココをクリック。

白粉を付けた花魁に簾の影から「主さん、会いたかったわぇーーーー」と言われると・・・・ゾクゾクしますね。
(女性の方、ごめんなさい)
花魁草(オイランソウ:フロックス)
(世田谷区砧)
  
白粉花(オシロイバナ)     
(世田谷区松原)        
玉簾(タマスダレ)
(世田谷区千歳台)
  
            サンパラソル
            (世田谷区赤堤)

婦人物のパラソルは19世紀のヨーロッパで流行ったものですが、文明開化の日本にも輸入されて、今では日焼けを嫌う女性にとっては必需品です。
しかし、先進国で未だパラソルを使っているのは日本くらいで、ヨーロッパやアメリカの女性は日焼けした小麦色の肌の方が健康美だと考えているようです。日照の少ない高緯度地方に住んでいるからでしょうか。(その伝統のおかげで、オーストラリアに皮膚ガンが多いのは皮肉ですね)

「白い肌は七難隠す」・・・・日本女性は当分日傘(パラソル)を手放せないようです。

    
            
鷹の爪(タカノツメ)
(世田谷区宮坂)

兼好法師の昔から「家は夏向きに造る」のが日本の建築法。
寒さは暖を取れば凌げますが、暑さだけは逃れられないという日本の気候に対応したものでしょうか。
それならいっそ、汗をかくのも一つの消夏法。
中国では夏バテ防止に、山椒や唐辛子などの激辛な食事で夏を乗り切ります。


夏と言えば、「海」。今年は冷夏だったため海水浴を控えた人も多かったのではないでしょうか。
プールや浜茶屋などレジャー産業は「安・近・短」旅行消費にあづかれず泣きの涙です。
そんなとき強い味方が「天候デリバティブ」。もっと普及してよい保障商品です。

海の碧、空の青さを映す夏の花をご紹介します。
飛燕草(ヒエンソウ)

前回「何かな、なに花な?」で
名前が分からない花と紹介した花です。
葉がツバメが飛ぶ姿に似ているところか
ら名付けられました。
英語名はデルフィニューム
ギリシャ語で「青」の意味です。

(世田谷区松原)
瑠璃茉莉(ルリマツリ)

瑠璃・玻璃で、紫色を帯びた紺色のガラスのこと。
(どちらも梵語の音訳)
正倉院にあるペルシャのグラスです。
茉莉はジャスミンで、香があることから来ています。


(世田谷区祖師谷)

カナ、カナ、カナ・・・・とヒグラシが鳴いて、百日紅(サルスベリ)が枝もたわわに花を付けると、夏はもう終わり。
子供たちは残った宿題に取組まなくてはなりません。

              百日紅(サルスベリ)
←(世田谷区赤堤)



(世田谷区八幡山)

  
お詫びと訂正
8月にお送りしました「夏の前奏曲」で「日日草」と紹介しました花は「インパティエンス」でした。
花の形はよく似ているのですが、葉の形が違っています。

インパティエンス
釣船草の仲間で、葉の幅が広い。
(世田谷区代田)
日日草(ニチニチソウ)
葉の形がインパティエンスに比べて細長い。
(世田谷区代田)

  
お礼とお願い
前回、前々回、名前が分からない花の写真を掲載しましたが、多くの方から情報をいただき、いくつか判明しました。ありがとうございました。名前の分かった花を別ページに集めました。
ココをクリック

しかし、またまた名前が分からない花がたくさん出てきました。
                        
「何かな、なに花な?・・・」に写真を載せましたので、もし、ご存じならば教えてください。
ココをクリック、または http://www.insite-r.co.jp/Flower/unkown/


何人かの方から、綺麗な花や珍しい花の写真を頂きましたので、ご紹介します。
 
鬱金(ウコン)

根から黄色の香辛料が取れます。
そうです。カレーの元です。
(大森様から頂きました)
大白髭草(オオシラヒゲソウ)

雪の結晶のような花弁です。
戸隠高原の奥社参道で。
(小林様から頂きました)
(クズ)

秋の七草の一つ。
昔から和歌に「うらみ葛の葉・・・」と謡われました。
根からは良質の澱粉が取れます。
子供の頃風邪を引くと、お砂糖を混ぜた葛湯を飲ませてもらいました。

(野田様から頂きました)
(台東区向島百花園)

お気に入りの写真がありましたらオリジナル(300〜400KB程度)をお送りします。
JPEG形式ですのでスクリーンセーバーに使えます。
ご希望の方はinfo@insite-r.co.jpまでメールでお知らせ下さい。

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