春の足音

昨年(2004)が暖冬だったせいか、今年の冬は長く厳しく感じました。特に、北日本や日本海側では十数年ぶりの大雪で、「地球温暖化」も一休みでしょうか?でも、寒いと暖房をつけるため炭酸ガスが多く排出され、温暖化が一層進むのですね。
雪国育ちの私にとって「春が来た・・・」と感じるのは・・・3月に入って青空が見えるようになり、一面の雪原だった田圃からあぜ道が現れ、雪解け水が小川に流れ、土手には蕗の薹や土筆が芽を出す・・・・そんな情景も今や記憶の中にしかありません。菜の花や芹のおひたしを食べると、その頃よく野ゼリ摘みをしたことを想い出します。ちょっとほろ苦い味も春先の味です。
蕗の薹や土筆もそうですが、春を告げる早春の花々は、地中から、また、木の中から「ポッ」と咲く花が多いように思います。よほど春を待ちわびていたのでしょうか。

♪♪どこかで春が生まれてる、山の三月そよ風吹いて、どこかで春が生まれてる♪♪

クロッカス 

枯草に覆われた冬色の庭で、そこだけ暖かい日溜まりのようにポッと花をつけてくれます。
パエリヤなど地中海料理に欠かせないサフランもこの仲間。(香料は雄蕊を乾燥したもの)
(世田谷区千歳台)

黄色のクロッカス

(世田谷区砧)
 
「ポッと出」では、クロッカスに負けません。
福寿草(フクジュソウ) (世田谷区桜丘)
金盞花(キンセンカ)(港区六本木) 
ムスカリ

ニョッキリ、モッコリ、春のお目覚め

ムスク=麝香(ジャコウ)から付いた名
ユリ科の花です。

(世田谷区祖師谷)
ヒヤシンス

太陽神アポロンに寵愛されたギリシャ神話の美少年「ヒュアキントス」が円盤に当たって死んだとき、血に染まった草から咲いた花、という不吉な名前。

カーリーヘアのようです。

   (世田谷区祖師谷)
(スミレ)

菫というと・・・宝塚!
♪ら〜ら〜ら、赤い花束、車に積んで・・・
春が来た来た、村から町へ・・・
菫買いましょ、あの花売りの、黒い瞳に春の夢♪

この菫は花園でなく、コンクリートの道ばたにシッカリト根を付けています。
踏まれても、踏まれても・・・・

(世田谷区砧)
ラナンキュラス  (世田谷区桜丘) 雛菊(ヒナギク)  (港区六本木)
バージニアストック

ストックは通常八重咲きですが、
この花は一重の品種。

(世田谷区経堂) 
紫花菜(ムラサキハナナ)

オオアラセイトウとも、花大根とも呼ばれます。
アラセイトウはストックのこと。

鉄道沿線の日当たりのよい土手でよく見られます。
御茶ノ水駅の対岸に群落があり、紫の絨毯を一面に敷いたようです。

(世田谷区砧)
花韮(ハナニラ)  (世田谷区砧)
オキザリス (世田谷区桜丘)
 
地上の星々
ベロニカ・オックスフォード・ブルー

オオイヌノフグリ(漢字にすると?)の園芸種。
下の野生種と比べてみてください。
野生種の方が楚々としています

オックスフォード大学のスクールカラーから来たのでしょうか。

(世田谷区経堂)
オオイヌノフグリ  (世田谷区砧) ネモフィラ  (港区六本木カラヤン広場)
オンファロデス

「スターリーアイ」という名が付いています
この花が一番星に近いでしょうか。

(世田谷区桜丘図書館)


♪春が来た、春が来た、どこに来た。山に来た、里に来た、野にも来た♪
庭先や花壇だけでなく野原にも春は訪れます。
土筆(ツクシ)  (世田谷区大蔵) 蕗の薹(フキノウトウ) (世田谷区桜丘)
 
烏の豌豆(カラスノエンドウ) (世田谷区砧)
野芥子(ノゲシ) (港区南青山) 蒲公英(タンポポ)(世田谷区砧)

「小諸なる古城のほとり、雲白く遊子悲しむ・・・・」有名な島崎藤村の「千曲川旅情のうた」の一節。
この中に「緑なす 萋(ハコベ)は萌えず・・・・」と詠われたハコベ。春一番の野草です。

(ハコベ)

子供の頃野鳥の鶸(ヒワ)を飼っていて(今なら犯罪ですが・・・)、その餌として葉をすりつぶして与えていました。別名ヒヨコ草ともいっていました。

(港区六本木)

君がため 春の野に出でて 若菜摘む 我が衣手に 雪は降りつつ (光孝天皇) 『古今集』春
百人一首にある有名な歌ですが、この若菜が七草です。ハコベも「春の七草」の一種ですが、
全部いえますか?
(ナズナ) 実が三味線の撥に似ていることから別名ペンペン草 (世田谷区赤堤)   仏の座(ホトケノザ) 今はタビラコが七草です。 (世田谷区赤堤) 
 
御形(ゴギョウ) 
別名:母子草(ハハコグサ) 

(世田谷区千歳台)

七草の答
芹(セリ)、薺(ナズナ)、御形(ゴギョウ)、萋(ハコベラ)、仏の座(ホトケノザ)、菘(スズナ)、蘿蔔(スズシロ)、菘(スズナ)は蕪、蘿蔔(スズシロ)は大根です。八百屋さんまたは以下のホームページでご確認下さい。
http://www.hana300.com/haru77.html

春の匂い、というと沈丁花(ジンチョウゲ)をおいて他にありません。
また、三椏(ミツマタ)や山茱萸(サンシュユ)など木の花が梅と桜の間をつないでくれます。

沈丁花(ジンチョウゲ)  (港区青山)


白花もあります。
   
   (港区麻布台)
三椏(ミツマタ) (世田谷区砧)
 
山茱萸(サンシュユ) (世田谷区桜丘)
ミモザ 別名:銀葉アカシア (港区東麻布)
 
土佐水木(トサミズキ) (港区六本木)
黄梅(オウバイ)

中国では迎春花と呼ばれています。春告花ですね。(世田谷区祖師谷)

枝は枝垂れ状です。花弁は
   
連翹(レンギョウ)

この花も中国原産。
木犀(モクセイ)の仲間です。

(世田谷区砧)

黄色が多いのが春先の木の花の特徴ですが、勿論いろいろな色の花も咲きます・・・
猫柳(ネコヤナギ) 
ふわふわした猫の尻尾のようですが雄蕊です。

(港区南青山)
馬酔木(アセビ)
 
葉に毒があり、馬が食べると
中毒を起こし酔ったようになるところから。
(世田谷区経堂)
白花                 
(港区南青山) 

姫榊(ヒサカキ) 玉串として神棚に奉納します。
(世田谷区砧)
 
雪柳(ユキヤナギ) 「柳」といってもバラ科です。(港区赤坂)
 
白木蓮(ハクモクレン)(世田谷区赤堤)
 
紫木蓮(シクモクレン)(世田谷区羽根木)
 
富貴草(フッキソウ)

「草」とありますが、低木です。 
歩道の縁取りに使われています。

(千代田区永田町 首相官邸裏)


3月も下旬近くなると花たちも助走をつけて、ホップ、ステップ、ジャンプ!!

サイネリア
 
シネラリア(cineraria)が正しい名前ですが、「死ねラリア」では売れないので・・・お見舞いに持っていってはいけませんよ。

(世田谷区砧)
桜草(サクラソウ)

プリムラと同じ仲間ですが、感じが違いますね。

プリムラ    
   
(どちらも港区六本木)

リナリア  別名:姫金魚草 (世田谷区砧) ペンツィア  (世田谷区祖師谷)
貝母(バイモ)

別名:網笠百合
花弁に薄紫色の網がかかったような模様があります。

 (世田谷区祖師谷)
クリスマスローズ 

別名:レンテンローズ
レンテンとは、キリスト教 のレント(受難節、イースターまでの40日間) のことで、この頃に咲くため。クリスマスの時期には咲きません。

花は下を向いて、恥じらっているようです。

 (港区六本木)

キティスス・ラケモスス (港区六本木) マリーゴールド  (港区六本木)
   

そして最後は脱兎のごとく・・・・・爛漫の春へと駆け込んで行きます 
寒緋桜(カンヒザクラ) (世田谷区経堂)
(モモ) (世田谷区砧)
桜 枝垂れ桜(シダレザクラ)

染井吉野が咲く前に、寒緋桜や枝垂れ桜が咲きます。

(三島市 三嶋大社)
桜 染井吉野(ソメイヨシノ)  (千代田区九段北)

頂き物コーナー
いつも綺麗な花の写真を頂いています小林様からの贈り物です。
紅梅(コウバイ) 上海の予園に咲く由緒ある花 辛夷(コブシ) 春一番の木の花。木蓮の仲間。


「なに花な?」コーナー
いつもながら名前が分からない花がたくさんあります。たとえばこの花(いずれも3月に撮影したものです)。
名前をご存じでしたら教えてください。(メール先 matsunaga@insite-r.co.jp

(1)玉沙参(タマシャジン)(港区赤坂アークヒルズ)
別名:カンパニュラ・コメットスター
(2)松葉菊に似ていますが・・八重のマーガレット
  (世田谷区経堂)

(3)
  (世田谷区祖師谷)

(4)姫立金花(ヒメリュウキンカ)
  (世田谷区砧)

「何かな、なに花な?・・・」のページにも不明な花の写真を載せましたので、もし、ご存じならば教えてください。
ココをクリック、または http://www.insite-r.co.jp/Flower/unkown/

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