毎年、春が近づくと気もそぞろになります。今年の冬は雪が少なかったから花は大丈夫かな、と心配したり、反対に豪雪だと夏山は見事だろうとわくわくしたり…。そして、3月末からテントを担いで春の野山へ出かけます。出かける先は上信越や北陸、東北が主で、いずれも厳しい冬を乗り越えた花々がキラキラと輝く地方です。
ただ、今年(2020年)は新型コロナウィルスのお陰で、外出自粛が要請されたため、おおっぴらに出かけるのが憚れます。そこでこの機会を使ってここ2,3年の春の野遊びで見てきた花々を整理しました。

 フクジュソウ(福寿草: キンポウゲ科)

正月の縁起物として販売されますが、それは花期を調整した園芸もの。野山に咲くのは2月末から3月にかけてです。
福寿草は蜜を作らず、その代わり、パラボラアンテナ状の花弁で花芯に熱を集め、日向ぼっこ用ベッドに虫を誘い、花粉のお土産を持たせて別の花の雌しべへ届けます。蜜作りのために多くのエネルギーを使うよりずっとエコノミーです。

黄色は人を励ます力のある色で、映画「幸福の黄色いハンカチ」のテーマカラー。東日本大震災の被災地へ花の写真をお送りしてきましたが、希望の花で最も多かったのはこの福寿草でした。

   (埼玉県秩父市)

昨年の春は宮崎県へ。これまで日本国内をくまなく回りましたが、宮崎県は47都道府県中、当地を踏んだ最後の県です(50年前、通過したことはありましたが)。青春18切符を使って、普通電車とフェリーを乗り継いで24時間の旅でした。
   オキナグサ  (翁草:キンポウゲ科)

以前は北海道を除く日本のどこでも見られましたが、
いまや絶滅危惧II類 (VU)。盗掘のほか、野焼きなど草地の手入れをしなくり、生育地の荒廃が進んだためです。現在も野焼きをして草地を管理している阿蘇や秋吉台、渡良瀬遊水地などでは群落がみられます。この地のオキナグサも住民の方が休耕地をよく管理されているため、命脈をつないでいます。

オキナグサの由来は、果実に長い綿毛がついて、老人(翁)の白髭のように見えることから来ています。風で遠くへ飛ばされ、子孫を増やします。
能の「翁」は、3000年に一度果実をつける西王母の桃を三度見、そして琵琶湖が七度干上がって、また水で満たされるのを見た程の長寿で、めでたいとされていて、正式な能会(式能)では最初に演じられます。なお、オキナグサは有毒なので取扱注意です。


     (宮崎市高岡町)
 
 タカナベカイドウ 
 (高鍋海棠: バラ科) 

カイドウは、中国の絶世の美女楊貴妃の湯上り姿にも例えられる妖艶な花ですが、こちらの花は高鍋町の固有種で、少しピンクが薄く、若々しい乙女のよう。ルネサンスの画家サンドロ・ボッティチェッリが描いた「プリマヴェーラ」のビーナスの肌を思い起こさせます。

(宮崎県高鍋町)
 
近くには神話の里、西都原古墳群があります。そこは・・・菜の花と桜の競演の舞台でした。
 
日本有数の豪雪地帯、北陸や越後も4月に入るとフェーン現象のお陰で雪は融け、豊富な雪融け水で花々は一足先に、一斉に芽を出します。
オオミスミソウ (大三角草:キンポウゲ科) 
葉の形が三角で、先が尖っています。 八重咲もあります。
花の色は青からピンク、紫色と様々。きれいな色は盗掘に遭い、残っているのはほとんど白花。 
 
 トキワイカリソウ(常盤錨草:メギ科)
花の形が舟の錨に似ているためこの名がつきました。薬草であり、漢方では淫羊藿(インヨウカク)といいます。その名から想像されるとおり、強精作用があり、強壮ドリンクに配合されています。
また、メギ科も目木からきており、目薬などの薬草として使われたようです。
シラネアオイ
 (白根葵:キンポウゲ科)

日光白根山で最初に採種されたことから、この名がついたが、北陸から東北、北海道にかけての日本海側に広く分布する。
日本の固有種で、一属一種。
花びらはなく、薄紫の片は、実は萼片。

下の白い花はトキワイカリソウ。


 (いずれも新潟県長岡市)

アズマシロカネソウ東白銀草:キンポウゲ科)

ショウジョウバカマ(猩々袴:ユリ科)
 
いずれも沢筋や湿地、北斜面など湿った場所を好む植物です。 沢や小川の傍には他にも
 


 ネコノメソウ(猫の目草:ユキノシタ科)

果実は細く裂開し、瞳孔が細くなった
昼の猫の目のような形になることから。


   (いずれも新潟県長岡市)
 
   チャルメラソウ(哨吶草:ユキノシタ科)

私が学生の頃(50年前です)、夜、ラーメン屋が屋台を
引いて、「チャラ~ラ~ラ~ラン」と笛を吹いて廻って
来ましたが、あの笛がチャルメラ。中国起源の木管
楽器です。茎にいくつもついた小さい花がチャルメラに
似ていることから。もちろん鳴りませんが。
 
  拡大すると  
  明星ラーメンの袋の絵と比べてみてください。

   キクザキイチゲ (菊咲一華:キンポウゲ科)

葉の形が菊の葉に似ていることから付いた名前です。一華は一つの茎に一個の花をつけることから。花の色は、白色のほか、紫色もある。近縁種でアズマイチゲ(東一華)があるですが、大変よく似ていて、よく間違われます。右下にその写真を載せましたので、違いを見つけてください。「イチゲ」と名の付く花には、ハクサンイチゲ、ヒメイチゲ、ボタンイチゲ(園芸種のアネモネ)などがあります。いずれもキンポウゲ科です。
   アズマイチゲ(東一華)
  
葉が深く切れ込んでいるのがキクザキイチゲで、
葉の先端が3裂しているのが、アズマイチゲ。

  (いずれも新潟県長岡市)
   
春の地上の星々はイヌノフグリ(クワガタソウの仲間)やキランソウなどの青い花々。
  オオイヌノフグリ
(大犬の陰嚢:オオバコ科) 
 
緑の野山ではこんな星も輝きます。
       
   ヤマルリソウ(山瑠璃草:ムラサキ科)    ハルリンドウ(春竜胆:リンドウ科)
   忘れな草の仲間。    フデリンドウ(筆竜胆)とも。

カタクリ(片栗/堅香子:ユリ科)

春の妖精(スプリング・エフェメラル)と呼ばれるカタクリ。周りの木々がまだ若葉を出す前、林床に射す陽光をいっぱい受けて花を開き、若葉が茂り始めると地上から消えてしまいます。数年かけて成長し、一年のほとんどを地中で暮し、早春だけ現れる幻のような花で、同じ妖精仲間には先に挙げたフクジュソウ、キクザキイチゲのほか、バイモ(貝母)やアマナ(甘菜)などユリ科の花やニリンソウ、エンゴサクなどがあります。
 (新潟県南魚沼市六万騎山 背後は巻機山)
 
万葉集にもうたわれ、鱗茎から澱粉がとれるなど古くから人の暮らしとかかわってきた花。

早春の虫の少ない時期に咲くため、雌しべの周りの蜜標で虫に蜜のありかを知らせたり、種から甘い液を出してアリに持ち帰らせたりと手練手管を駆使して子孫を残す。

白山山麓の瀬波地区には約12万㎡(東京ドームの3倍)の群落地があるが、5年前、町興しで登山道を作る際、立木や藪を切り開くと突如現れ、今では日本一広い群落地となっている。その昔、人々が暮らしのため栽培していたのかもしれない。

    (石川県白山市)
     
   コシノコバイモ(越の子貝母:ユリ科)    ヤマエンゴサク(山延胡索:ケシ科)  
   (新潟県南魚沼市六万騎山)    (石川県白山市)  
         
      ニリンソウ
(二輪草:キンポウゲ科)

花が二輪つくので二輪草ですが、一輪草もあれば、三輪草もあります。二輪草でも花が三輪ついたり、三輪草でも二輪しかつかなかったり…ややこしいですが、見分け方はキクザキイチゲと同様、葉の形。
二輪草には葉柄がありません。

花の数から名前が付いているのは、イチゲのほか、ヒトリシズカ(一人静:センリョウ科)やフタリシズカ(二人静:センリョウ科)があります。

    (石川県白山市)
       
   キブシ(木五倍子:キブシ科)    サンカヨウ(山荷葉:メギ科)
  果実は黒色染料の五倍子(ふし)の代用として使われた。   中部地方から以北に分布。葉はフキのような形で大小2枚つく。花は水に濡れると半透明となる。
    (石川県白山市)     (新潟県長岡市)
 
 
   コシノカンアオイ
  (越の寒葵:ウマノスズクサ科)

とても花とはおもえない色や姿ですが、匂いで蟻を誘い、花粉を運ばせる戦略を取るため、目立つ色を付ける必要がありません(その分省エネです)。このため、花は地面近くに咲きます。

近縁種にウスバサイシンがあります。

  (新潟県長岡市)


  
       
  ウスバサイシン(薄葉細辛:ウマノスズクサ科)

 蕾の時はまだ緑で、その後、黒紫色に変わる。

  (群馬県片品村尾瀬)
 
 ミズバショウ(水芭蕉:サトイモ科) 

尾瀬に限らず、中部以北の湿地や沢に自生する。白いカラーは仏炎苞と呼ばれ、よく花と間違われるが、これは苞で葉が変形したもの。花は中心の柱(花序)につく小さな花の集合体。
英語でスカンク・キャベツといわれるように、ものの腐った臭いがする。この腐臭で蠅を呼び寄せ、花粉を運ばせる。サトイモ科の花は腐臭のあるものが多い。
 リュウキンカ  
(立金花:キンポウゲ科
 
ミズバショウのあるところ、
リュウキンカあり。

ともに有毒です。

 (いずれも新潟県長岡市)
    
4月も後半になると、春は桜前線と一緒に北上します。昨年のゴールデンウィーク前半、弘前で桜を見た後、世界遺産、白神の森に向かいました。
目的は・・・登山道がなく、残雪の上をたどってしか行けない白神山地最高峰、向白神岳(1,250m)に登ることでした。

(二つ目のピークが向白神岳、右奥は岩木山。 雪庇の崩落で登りに時間を取られ、頂は踏めなかった)
       
   東側(向白神岳側)から見た白神岳の全容 まだ 眠りから冷めやらぬ山毛欅(ブナ)の森  

山頂は白銀の世界でしたが、麓はすっかり雪も融け、新芽・若芽が芽吹いていました。そしてお目当ての花も・・・
   ヒメホテラン
  (姫布袋蘭:ラン科)

「ヒバの妖精」とも呼ばれ、ヒバ(檜葉:ヒノキアスナロ)の林床に生える。丈は15㎝ほどのすらっとした姿で布袋の名に似つかわしくない。葉は一枚。ヒバの樹脂には抗菌効果のある精油が含まれていて、菌と共生するラン科の植物は育ちにくい。しかし、このヒメホテイランはその殺菌効果に対抗する力を持っている。絶滅危惧類Ⅱ(VU)

数年前、この花を求めて津軽の山々を歩いたが、見つけることができなかった。今回は地元のガイドの方に案内してもらい、3年越しの初対面となった。
なお、ホテイランは八ヶ岳や南アルプスの亜高山帯林床に自生する。

  (青森県鰺ヶ沢町白神岳山麓)
 ヤマワサビ(山山葵:アブラナ科)

すし屋などで刺身と一緒に出されるのは伊豆や安曇野で栽培される本ワサビだが、こちらは農家で栽培されていた西洋ワサビが畑から逃げ出して野生化したのもの。元々はローストビーフの付け合わせに根をすりおろしてホースラディッシュとして使われる。市販のワサビ漬けやチューブ入りのワサビにはこの根を混ぜ込んでいるともいわれる。

茎や葉、花を適当に切り、薄めた麺ツユに一昼夜つけておくと、美味しい酒の肴になると山の友人から教わった。道の駅で買い求めた栽培種でやってみたところ、結構いけた。
 
          ナニワズ(難波津:ジンチョウゲ科)

早春に香り高く咲く沈丁花の仲間であるが、芳香はつよくない。北陸以北の日本海側で生育。耐寒性があり、北海道でも冬を越せる。その代わり、夏は葉を落としてしまう。このためナツボウズ(夏坊主)とも呼ばれる。
名の由来はナツボウズが訛ったものとも、近縁種のオニシバリの長野県での呼び名がナニワズであり、北海道に入植した長野県人がこの花を見て、故郷の呼び名で呼んだためともいわれている。別説に
「難波津に咲くや此の花冬ごもり 今は春べと咲くや此の花」から来ているというのもある。此の花は早春に咲くウメであるが、北国で早春に咲くからこの和歌にかけてナニワヅとなったという雅趣ある説で、私はこの説に与したい。
なお、「難波津に咲くや此の花~」は競技カルタ大会で序歌として最初にうたわれる。
 
 
5月に入るとホームグラウンドの関東の山々も春の真っ盛り。
  カッコソウ(勝紅草:サクラソウ科)   
 
昔は足尾の山をピンクに染めたと言われる本種だが、現在は鳴神山の山頂部に僅かに800株ほどしかない。
原因は盗掘。武甲山に咲いていたチチブイワザクラ(秩父岩桜)と同じだ。本来は広葉樹の林で生育していたが、杉植林により陽の当たらない環境になったことも原因の一つ。いずれにしても人間由来である。
地元の人々の手厚い保護で何とか命脈を保っているが、個体数がこれだけ少なくなると遺伝的多様性が失われ、近い将来、種がまた一つ地球から消える。人間はいくつ種を消滅させてきたのだろうか。

 (群馬県桐生市・みどり市 鳴神山 標高800m)
      ヒイラギソウ(柊草:シソ科) 

葉がヒイラギの葉に似ていることに由来する。
 
 拡大 
     (群馬県桐生市鳴神山 標高630m)
 
    コイワカガミ(小岩鏡: イワウメ科)

通常、ピンクの花をつけるが、これは白花。
イワウメは高山植物だが、コイワカガミは
低山でも見られる。
葉は常緑で、テカリがあることから、鏡という
名がついた。

(鳴神山山頂部 980m)



足尾の山々ではツツジも一斉に咲き始める。
 トウゴクミツバツツジ(東国三つ葉躑躅)  ヤマツツジ(山躑躅)
  アカヤシオ(赤八汐:ツツジ科)

赤というよりピンクの花弁。葉が出る前に花が咲くので、山がピンクに染まる。高原山山系の三ツ持山大丸はそんな場所の一つだが、今年は不作の様だ。
外出自粛の影響で人出が少ないと、花も咲く張り合いがないのか…。

(栃木県矢板市高原山県民の森 標高730m)
 
    
 ←キンラン
  (金蘭:ラン科) 

昔は低山や里山で普通に見られた花だが、これも盗掘によって激減、絶滅危惧II類 (VU)に指定された。
ラン科の花、特に地生ランは、樹木の根と共生している外生菌根菌から栄養を得るため、移植しても育たない。 
「やはり野に置け・・・」である。

  ササバギンラン →
 
(笹葉銀蘭:ラン科)
同じような環境で咲くが、
やや湿った環境を好む。
この2種は近い場所で観察した。

(どちらも東京都高尾山)
 最も盗掘の被害を受けている蘭はアツモリソウ(敦盛草)である。野生ランがブームの時代、一鉢100万円で取引されたという。買う方も問題だが、育たないことを知りつつ販売した業者はもう犯罪者である。
数少ない自生地では鉄格子に入れてまで保護している。獄舎に繋がれた野の花は人間の醜い欲望を雄弁に物語っている。そんな奴らはコロナに感染しちまえ!と言いたくなるが、医療機関に迷惑をかけることになるのも困ったことだ。
 
   
5月も後半になると尾瀬にも遅い春が訪れます。    
   (竜宮付近、背後は至仏山)
この時期はミズバショウやリュウキンカが目立つ尾瀬ヶ原ですが、初夏を感じさせる花々も顔を出し始めます。
         
   アズマシャクナゲ (東石楠花:ツツジ科)    オオバキスミレ(大葉黄菫)  
 
    トガクシソウ
   (戸隠草:メギ科 別名:戸隠升麻)

戸隠山で最初に採集されたためこの名がついたが、現在は戸隠山では見られなくなった。北陸から東北にかけて日本海側の深い森に咲く。シラネアオイと同じ一属一種。薄紫色の片は萼片で、花弁は内側の黄色い部分。
この花の学名はRanzania japonicaだが、日本人が初めて付けた学名として知られている。Ranzaniaは江戸時代の本草学者、小野蘭山に献じられたもので、彼の弟子には杉田玄白がいる。
この命名を巡って、いろいろといきさつがあり、命名者で在野の研究者、伊藤篤太郎が東大植物研究室から破門されるという事件が起きている。植物研究室は当時から牧野富太郎を始め在野の研究者が出入りし、植物学発展のために貢献してきたが、その伝統はいまでも受け継がれている。
   

今年は新型コロナウィルスのお陰で、中国やネパールへ花を探しに行けそうにありません。しからば国内でと、考えていますが、
「不要不急の外出自粛」という定義の曖昧な日本的強制の下、五月晴れの空を恨めしく眺めるばかりです。6月には解除されることを願って、もうひと辛抱です。


東日本大地震 震災遺児への奨学金支援チャリティのご協力、 ありがとうございました。
昨年12月、花のカレンダーを皆さまにご案内し、ご協力を募りましたところ、111名の方から、223部のお申し込みをいただきました。
販売額(24万2千円)全額公益財団みちのく未来基金に寄付することができました。たいへんありがとうございました。東日本大震災で遺児となった学生への奨学金として役立てられます。
ご協力いただきました方には「公益財団みちのく未来基金」発行の寄付金控除証明書をお送りしておりますが、もし届いておりませんでしたらお知らせください。
(ただし、1月以降にご協賛いただいた方には、2021年での確定申告に合わせるため、まだお送りしておりません)
また、郵送料のご支援をいただき、北海道胆振地震や西日本豪雨の被災地の仮設住宅へ花のカレンダーを60部をお送りしました。あわせてお礼申し上げます。

引き続きチャリティ活動を続けてゆきますので、今後ともよろしくご協力をお願いいたします

★特別定額給付金(一律10万円給付)の使途について
新型コロナウイルス対策の一環として国民一人当たり10万円給付の支給手続きが始まっていますが、「所得の再配分」という税の基本を無視した政策には首をかしげざるを得ません。(政府のお粗末な初動対応による)ウィルス蔓延によって苦しい生活を強いられている人々に手厚く支給されるべきところですが、給与が減る心配のない公務員や大企業正社員、そして私たち年金生活者にまでばら撒くというのは、どうでしょうか。どさくさ紛れの人気取り政策と言われても仕方のないところです。政治のリーダーシップの無さをまざまざと見る思いがします。
この定額給付金でさえ、支給に2,3ケ月はかかるという官僚の仕事ぶりですから、「審査をしていると給付金が渡るのがいつになるかわからない」という声は理解できます。しかし、困っている人が大勢いるとき、「唯々諾々と不労所得を受け取るようなみっともない真似はしたくない」という美意識は持ち合わせいますし、その心根を通したいと思います。
ならば、「上に政策あれば、下に対策あり (中国のことわざ「上有天堂、下有蘇杭」をもじったもの)」。受け取った10万円を本当に困っている人々に寄付して、「品格のない国」に代わって「国民の品格」を見せたいと思います。

予定している寄付先は
● アルバイトができなくなり退学を強いられている学生およびその支援団体
● 公演中止により収入が途絶えた舞台表現者(特に伝統芸術)およびその所属団体
  (寄付金受領資格のある団体へ寄付すると、所得税控除が受けられます)

もしこの給付金が皆様にとって「不要不急」のお金でしたら、是非、寄付活動をご検討ください。

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