昨年(2023年)に引き続き、6月下旬から7月にかけて中国雲南省とチベットを訪ね、青いケシの回廊を探ってきました。また、国内では春に中国山地のバイモ属を探索。8月には日本百名山99座目となる悪沢岳に登り、高嶺の花を楽しみました。
各地で撮影した花で四季の花カレンダーを作成しました。
以下はそのサンプルです。画像(各月の見開き)をクリックすると拡大します。
今年もチャリティカレンダーとして販売します。このページの最後に申し込み方法を記しましたので、ご希望の方は是非お申し込みください。
なお、発送は10月末~11月上旬を予定しています。
一月 | ポネロルキス・クレヌラータ Ponerorchis crenulata Soó ラン科ウチョウラン属 中国雲南省香格里拉市巴拉格宗 ラン科ウチョウラン(羽蝶蘭)の仲間。側萼片が蝶の羽のように大きく開いていることから名付けられた。唇弁に濃い赤紫色の斑紋がある。種小名crenulateは先端が丸い歯の意味で、花弁の先端に丸みがある。雲南省の固有種。 |
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二月 | イズモコバイモ(出雲小貝母) Fritillaria ayakoana Maruy. & Naruh. ユリ科バイモ属 島根県川本町 コバイモは日本の固有種で、自然交雑種をのぞくと7種ある。その内6種が絶滅危惧種に指定されている。本種は島根県西部で発見され、学名は発見協力者の名を取り、その夫によって命名された。自生地は地元の人々に守られている。 |
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三月 | ミツマタ(三椏) Edgeworthia chrysantha Lindl. ジンチョウゲ科ミツマタ属 山梨県南部町思親山 花柄が3つに分かれることからミツマタという。コウゾと共に紙の原料に使われる。明治期に紙幣印刷のため量産されたが、生産者の減少で耕作放棄され、今では野生化している。早春の甲斐の山で道に迷った時、偶然に出会った。 |
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四月 | サマニユキワリ(様似雪割) Primula modesta var. samanimontana Nakai サクラソウ科サクラソウ属 北海道様似町アポイ岳 サクラソウ科のユキワリソウの変種。近い仲間に礼文島のレブンコザクラがある。アポイ岳の岩礫地にのみ見られる固有種である。一方、「雪割草」と呼ばれる花にキンポウゲ科のミスミソウがあり、日本海側の山地に多く咲く。 |
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五月 | ヤマトグサ(大和草) Theligonum japonica Okubo et Makino アカネ科ヤマトグサ属 大阪府千早赤阪村金剛山 牧野富太郎らが日本人として2番目に学名を付けた。不思議な花で、花の付く葉は対生だが、その他の葉は互生につく。花被が1輪しかなく、雄花は成熟すると花被がめくり上がり、雄蕊が風で揺れると花粉を飛ばす。雌花は同じ株の下部にあるがほとんど目立たない。 |
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六月 | ロドデンドロン・デラバイユ Rhododendron delavayi Franch. ツツジ科ツツジ属 中国雲南省大理市蒼山 雲南省はシャクナゲの宝庫。数百種があるとされる。中国語では「杜鵑花」。花弁の奥に斑点があり、それが鳥のホトトギスの胸の模様に似ているからだ。乾燥に強いため、船便で欧米にもたらされた。英国を始め、ヨーロッパ各地の庭園を飾る。 |
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七月 | メコノプシス・ユニフローラ Meconopsis uniflora Tosh.Yoshida, B.Xu & Boufford ケシ科メコノプシス属 中国雲南省徳欽県普金浪巴 本種の生育地は標高5000m近くのガレ場。日夜の気温差は大きく、極端に乾燥している。まるで火星の表面のようだ。そんな環境でも生きられるのは、葉や茎の剛毛で朝方発生する霧から水分を取って根に送るからだ。 |
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八月 | メコノプシス・スペキオサ (亜種)カウドリアナ Meconopsis speciosa subsp. cawdoriana Grey-Wilson ケシ科メコノプシス属 中国チベット自治区林芝市色季拉山 チベットのナムチャバルワ近くの峠で咲く。ベンガル湾から上ってくる湿った空気のお陰で生育が良く、根から何本もの花茎を立て、空色の澄んだ花をつける。一方、雲南省にある同種は茎の途中から花茎が出る総状花序で岩礫地に育つため葉の棘は鋭い。 |
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九月 | トウヤクリンドウ(当薬竜胆) Gentiana gelida M.Bieb. リンドウ科リンドウ属 静岡県静岡市荒川岳 リンドウの根は熊の胆よりも苦いため、より強力な「竜の胆」を意味する竜胆の名が付いた。また「当薬」はセンブリのことで、漢方で胃の薬として利用されてきた。「良薬は口に苦し」といった孔子も、進言が受け入れられずストレス性胃弱でこの薬を服用していたかもしれない。 |
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十月 | タカネマツムシソウ(高嶺松虫草) Scabiosa japonica var. alpina Takeda マツムシソウ科マツムシソウ属 静岡県静岡市悪沢岳 マツムシソウは低山にも咲くが、高山種との区別は難しい。高山種の本種は丈が低いものの花は大きく、萼片も密に混んでいる。これは高山では花粉を運ぶ虫が少ないので、より目立つように進化したためだ。 |
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十一月 | シマサルスベリ(島百日紅) Lagerstroemia subcostata var. subcostata ミソハギ科サルスベリ属 高知県高知市牧野植物園 樹皮は剝がれやすく、幹もつるつるしていて猿も滑り落ちるので猿滑という。また、花期が100日以上と長いので百日紅の別名を持つ。猛暑の中でも花をつけるため、街路などに植えられている。本種はその変種で屋久島以南に自生します。 |
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十二月 | ツガルミセバヤ(津軽見せば哉) Hylotelephium tsugaruense (H.Hara) H.Ohba ベンケイソウ科ベンケイソウ属 青森県深浦町白神山地 絶滅危惧種のミセバヤの仲間。他のミセバヤは赤い花だが、本種は唯一白い花をつける。岩場から垂れ下がって咲く。高野山の僧が都の貴族にこの花を「見せたい」と書き送ったことからこの名が付いた。 |
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裏表紙 | リリウム・ソウリエイ Lilium souliei (Franch.) Sealy ユリ科ユリ属 中国雲南省徳欽県孔雀山峠 バイモ属のクロユリに似ているが、ユリ属。根は食用になる。 |
代金と寄付額
四季の花々カレンダー 1部について 販売価格 - 1,000円(送料別) 寄付額 - 1,000円 送料は5部まで- 200円 (10部まで400円、以後5部増えるごとに200円づつ増えます ) |
寄付先団体
今年の寄付先は、昨年と同じ「あしなが育英会」と「セイブ・ザ・チルドレン」の2団体になります。 (昨年は、あしなが育英会へ12万円、セイブ・ザ・チルドレンへ16万円寄付しました) ・あしなが育英会 (災害や病気などで親を亡くした遺児や東日本大震災遺児への奨学金や教育支援:税控除の対象になりません) ・セイブ・ザ・チルドレン(Save the Children) (ウクライナ難民支援を始め、人道支援やこどもの保護活動など:税控除が受けられます) 購入者の方はご希望の寄付先をお選びください。(複数部を購入の場合、両方へ寄付できます) (寄付は購入者名でおこない、税控除団体からは購入者あて寄付金控除証明書が送付されます) また、寄付は強制ではありませんので、「寄付をしない」という選択肢もあります。 (寄付しない場合、代金はカレンダー作成費と能登地震被災者へのカレンダー贈呈の送料に当てられます)。 |
お申込み方法
お申込みはここをクリックして専用フォームに記入してください。 専用フォームが使えない場合、matsunaga*insite-r.co.jp(*の部分を@に変更)宛に下記事項をお知らせください。 1.ご希望部数 2.送付先(連絡先) 3.寄付先団体(複数の場合、団体ごとに部数。または、寄付しない場合は「寄付なし」と記入) お支払いは銀行振込になります。振込先はカレンダー送付時にお知らせいたします。 |
カレンダーホルダー
初めて購入される方や昨年購入されなかった方にはカレンダーホルダー(上辺の角が垂れるのを防止する吊り具)をお付けします。これまでホルダーをお求めでなかった方、もしくは紛失された方で必要とされる方はカレンダー注文時に一緒にお申し込みください。
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2024.10.20 upload
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