一昨年に続いて、2度目のチベット訪問です。今回は、ネイチャーツアー専門会社の元社長T氏との二人旅。T氏は30年以上、自然観察ツアーの開発に携わり、現地旅行社と太いパイプを持ち、青いケシについても造詣が深い花のエキスパート。
お陰で日本人として初となる青いケシを観察できたり、超レアなアヤメを見つけたりと大変成果の多い、また『花良し、天気良し、友良し』と3拍子揃った旅でした。いつもならトレッキングから帰ると体重が5Kg以上減っているのですが、今回はホテル泊、車移動。その上、美味しいものもたくさん食べて痩せ知らずでした。
一方、現地では高速道路や橋、鉄道などの建設が盛んで、「米中摩擦による経済不況などどこ吹く風」の西部大開発が進行中でしたが、その陰で、チベット系住民の個人事業や中小企業に統制の圧力が強まりつつあるの感じました。

(一昨年のチベットトレッキングはここをクリックしてください)

 メコノプシス・トルクァタ
 (Meconopsis torquata)

プラントハンターのジョージ・シェリフがラサの英国代表部に勤務していた1943年に、ラサ郊外の4200m~4800mの山のガレ場で見つけ、写真を撮って以来、現地の人々以外の目に触れてこなかった幻の青いケシ。
標本も少なく、写真も白黒であり、しかも最初の採集者(ウォルトン大尉 H. Walton、1904年)が「花は赤い」と記述したことから、いろいろと憶測を呼び、白黒写真をピンクに色づけした資料まで出まわった。

同行したT氏が、2014年に花の付いていない茎の写真を見て、現地の旅行社に調べさせ、3年越しでその生息地を見つける。以前は低い場所でも多数生えていたが、漢方薬として高価に取引されるため、採りつくされ、ほぼ絶滅状態である。

谷から吹き上げる強風に体ごと飛ばされそうになりながら、喘ぎあえぎ登った尾根道。たどり着いたガレ場の大きな岩の間から、開花したばかりのトルクァタが空の色と同じ青色の頭をすくっと立てていた。
種名「トルクァタ」は青いトルコ石の意味。

(ラサの北 標高5178m)

 今回のコース
(1) 成都 - 林芝 - セチ・ラ - トンバツェ村 - 林芝-米拉 - ラサ-林周県-甘丹寺-ラサ-成都 (7月11日~19日)
 
(2) 成都-康定-道孚(ダウ)- 新都橋-泉華灘-新都橋-成都(7月19日~23日)
(Google mapより)

(1)セチ・ラ(峠)、トンバツェ村の花々  
一昨年の6月中旬、この峠を尋ねたときはシャクナゲやサクラソウが満開で、青いケシもM・バイレイやM・シンプリキフォリア、そして黄色い花をつけたM・スルフレアを見ることができた。今回はそれより1カ月遅かったが、前回と同じ種類の花も、そして違う青いケシも楽しむことができた。
 
 メコノプシス・バイレイ
 (Meconopsis baileyi)

セチ・ラへ向かう途中、T氏がトイレ休憩で小用中、ふと崖下を見ると、青い花が・・・。急坂を下ってみると開花したばかりのみごとなバイレイ。
6月中旬が盛りと見て、あまり期待していなかったので、思わぬ収穫だった。

M・バイレイは1913年、英国将校F.M.Bailey大佐がヤルン・ツァンポ河に近いロン・チュー渓谷トンバツェ村で見つけ、後にキングドン・ウォードが種を採集し、英国に青いケシブームをもたらした。

(国道318号 標高4000m)
セチ・ラでは青いケシ、メコノプシス・シンプリキフォリアや黄色い花をつけるメコノプシス・スルフレアが咲き誇っていた場所で淡い青い花をつけた

メコノプシス・プライニアナ
(Meconopsis prainiana)

が群生していた。

   (標高4500m)
 
 峠を観光バスが走り抜けてゆくが、
乗客は誰も青いケシのことに気付かない。(彼らが関心を持つようになると青ケシは根こそぎ取られてゆくだろう!?)
メコノプシス・スペキオサ
 (Meconopsis speciosa)

M・ホリデュラによく似た小型の青いケシ。以前はプセウドホリデュラとも呼ばれていた。ホリデュラと比べて剛毛は柔らかく、葉に切れ込みがある。また、分布はチベット東部から、雲南省や四川省の西部に至る。
セチ・ラの種は亜種「カウドリアナ」に分類されている。
(下にM・ホリデュラを掲載しているので、比較してください)

 (標高4600m)
メコノプシス・スルフレア
 (Meconopsis sulphurea
 
 近くに1株咲き残っていました。 
 メコノプシス・インペディタ
 (Meconopsis impedita)

セチ・ラでは少し毛(花)色の変わった青いケシ。丈は30cmほどと低い。剛毛もほとんどなく、葉もカールしている。花の色も紫色が入り、雲南で見られる種(コンキンナやヴェヌスタ)に近い。

   (標高4600m)
 
 
セチ・ラには青いケシしかないわけではありません・・・
 
 レウム・ノビレ(背高大黄)
(Rheum novbile)
    タリクトルム・ケルドニイ
(Thalictrum chelidonii)
 
   
 セチ・ラのR・ノビレは2m以上
(標高4650m)
   日本のカラマツソウの仲間
(トンバツェ村 標高3600m)
 
     
    プリムラ・フロリンダエ
      (Primula florindae)

キングドン・ウォードが最初の妻の名をつけたサクラソウ。 甘い香りがする。右奥の白い花はプリムラ・シッキメンシス。こちらは匂わない。

ウォードがこの谷で見つけたもう一つの青いケシにメコノプシス・フロリンダエがある。2001年に1度だけ視認されているが、標本以外に記録のない幻の青いケシだ。

    (トンバツェ村 標高3600m)
 
 プリムラ・カウドリアナ
(Primula cawdoriana)
 
 Kウォードのスポンサー名から
(G318号沿 標高4250m)
   
ノトリリオン・
ブルビリフェラム

Notholirion bulbiferum

ユリ科の花。丈は1.5mほどになる。
M・バイレイのすぐ近くで咲いていた。

(G318号沿 3900m)

(2)林芝-米拉-墨竹工卡-ラサ
昨年全線開通したラサ-林芝を結ぶ高速道路、林拉公路を西にひた走る。丸一日かかっていた行程がわずか4時間でつながる。「熊注意」の道路標識もあるが、北海道と違って熊より車の方が多そうだ。途中から一般道に降り、米拉山へ登る。以前は峠にレストランもあって賑わっていたが、トンネルが貫通したため、訪れる車も減り、レストランや有料トイレも閉鎖されていた。将来は廃道になるかもしれないが、人の手による環境破壊が止まる分、花には好都合かも。
   メコノプシス・ホリデュラ
 (Meconopsis horridula)
   米拉山は強風の吹き抜ける場所で、植物は矮小化し、このホリデュラも丈が5㎝と小さい。それでも濃紺の花弁、丸いが少し不揃いの雄蕊と濃い青色の花糸とホリデュラの特徴をよく表している。なによりも鋭く強い剛毛。指に刺さると血が出るほどだ。
セチ・ラのスペキオサに比べて、厳つく見えるのは、乾燥・寒冷な環境に耐えて子孫を残すためだろう。

(標高5030m)
 
メコノプシス・プセウドインテグリフォリア
 (Meconopsis pseudointegrifolia
 
花が一輪だけ付いていた。   
 果実

米拉山を下ると空がどんどん晴れてくる。陽射しも出てくる。ラサの上空には青空が広がっている。これはいい兆候だ。
そして刈入れを待つチンコー麦(裸麦)と菜種の畑。この時期のチベットの風物詩だ。
 墨竹工卡付近、国道318号 標高3800m)
 
 メコノプシス・ラサエンシス
(Meconopsis lhasaensis
  これもホリデュラの亜種ともいうべき花。
見分けがつかないほどよく似ているが、
花弁の色が薄く、時に赤みがかっている。
また、雄蕊の形はきれいな環形。
米拉山から西、拉薩市の周辺に分布する。

墨竹工卡の南東 標高3990m)

 
(3)ラサ周辺  

市内のホテルを起点に、北部の山々、林周県、甘丹寺周辺で花を探した。目的はもちろんM・トルクァタ。幸い探索初日に見つけることができたが、翌日、山は雪。一日ずれていたら、雪に隠れ、見つけることはおろか、その場所に到達することも困難だったかもしれない。
M・トルクァタの生育環境

鉄分の混じった花崗岩の大岩(ボルダー)の間のわずかな土壌に根を下ろす。周囲は荒涼とした岩の崩落地帯。
川が流れる斜面はヤクの放牧地となっていて、ヤクの糞に集まる小蠅がポリネーター(花粉媒介者)となっている。

花の右の枯れた茎は昨年の花。その下には来年開花するだろう幼生が見える。
 
 
  メコノプシス・ラサエンシス 4姉妹
 (Meconopsis lhasaensis)
 
四川省成都の北に四姑娘山(スークーニャン)がある。花の多いところで有名だが、手軽に5000mの頂上にたてる山としてハイ・エンドのアマチュア登山家にも人気がある。一番手前が大姑娘山(5,025m)で、次いで二姑娘山、三姑娘山と続き、最奥にある四姑娘山は標高が6,250mあり、1981年に同志社大学隊が初登頂した。
このラサエンシスは、その四姑娘山の峰々を思い起させる。気丈な長女は妹たちの背後ですっくと立ち、やさしく見守っているようだ。雨風で少しやつれて見える(受粉し、身ごもっているのかも)。次女は姉を助け、三女と四女は無垢の美しさをふりまいている…。
「細雪」も4姉妹の物語。そして亡くなった義母は4姉妹の長女だった。いろいろと想いを呼ぶ花である。
           (ラサ北部 標高5140m)

パラクィレギア・ミクロフィラ

(Paraquilegia microphylla)

チベットでは青いケシとパラクィレギアが同じ場所で咲いていることが多い。一昨年、甘丹寺のトレッキングでM・スルフレア・グラキリフローラを見たときも、この花が背後の岩陰にあった。
今回もM・トルクァタのすぐ近くに咲いていた。これだけの規模の群落は非常に珍しい。

右の写真の黄色い模様は地衣類。

 (ラサ北部 標高5170m)

 
   
   
 メコノプシスの仲間 五つ星
  (Meconopsis sp. aff)
 
背後から差し込んだ陽光で花弁が星のように輝く。五つ星クラスのゴージャスな青いケシだ。

葉や雄蕊の形からラサエンシスの仲間と思われるが、蕾の付き方をみると、ホリデュラとの交雑種かもしれない。

(ラサ北部、林宗村南 
 標高4100m)
    プリムラ・シッキメンシス
 (Primula sikkimensi)
 
  (林宗村南  標高4200m)

 
メコノプシス・ラサエンシス
(Meconopsis lhasaensis

甘丹寺の裏山を巡る巡礼路はラサエンシスの宝庫。
ヤクものんびりと草を食み、眼下を流れるキー・チューの眺望もよい。

(甘丹寺 標高4200m)

 (4)四川省西北部  
2013年に訪ねて以来、6年ぶりの再訪である。西部大開発のお陰でどの街も整備されて大変きれいになった。何より驚いたのは、それまで丸一日かかっていた成都-康定間が、高速道路と大渡河を跨ぐ瀘定大橋の完成で4時間でつながったことだ。長大なトンネルを掘る技術は日本にも劣らないだろう。しかし、2008年5月の四川大地震で露見したように、手抜き工事で建物が多数倒壊したし、また、転落した新幹線車両を埋めて隠すような国なので、災害の際は100%安全と言い切れない怖さがある。
  瀘定大橋

昨年10月に5年の工事で完成。全長1400mのつり橋構造。総工費13億元を要した。
毛沢東に率いられた中国共産党が、この地点で渡河に成功し長征を成し遂げた場所
単に交通の要所であるだけでなく、政治的にも重要な場所(聖地)である。 

康定から西へ20Kmほど行くと折多山峠(標高4300m)。この峠で四川盆地とチベット高原を分ける。ここを超えると気候も変わり、からっと乾燥した気候となり、青空も広がる。植生も変わり、青いケシが現れ始める。青いケシは、以前は峠の南側斜面でもよく見られたが、今や一大観光地となった。観光案内所もでき、駐車を待つ車が数珠つなぎ。観光客の踏み荒らしで青いケシも激減した。
諦めて峠を少し下ると西向き斜面に青い花を見つける。車を停めて探すと・・・
 
メコノプシス・ヘンリキ
(Meconopsis henrici

1890年、中国を探検したフランスの王子で探検家・生物学者のオルレアン公ヘンリー(フランス語ではアンリ)が四川省西部で見つけた青いケシ。このため、種名には彼の名が献呈された。

(折多山峠南 標高4280m)
   
   メコノプシス・インテグリフォリア
(Meconopsis integrifolia

盛りを過ぎ、花は萎れていたが、
立派な果実をつけている。来年も、
この場所で大きな花を咲かすだろう。

  果実
M・プセウドインテグリフォリアとは
形が異なる。

青空が広がっているかと思うと急に雨が降り出し、そしてまたすぐに晴れ上がるのが、東部チベット高原の特徴。
牧場の一角では大勢のチベット人が集まり、野外結婚式が執り行われていた。式の後、新婚カップルは花で飾り立てた車で披露宴会場までパレード。まるで、一昔前のアメリカ。
金ぴかの僧院(ゴンパ)のある塔公(ターゴン)出て、しばらく走ると、崖の中腹に青い花がちらりと目に入る。車を停められる路肩を探し、急いで戻り、崖によじ登る。
      メコノプシス・プラティ(Meconopsis prattii)  (塔公の北 標高3760m)
 
 このプラティは研究者泣かせのところがある。分布がはっきりしていないだけでなく、茎から葉が出ていたり、出ていなかったりと、形態も変化が大きい。このため、四川省北部に咲くM・ラケモサ、雲南省のM・ルディスやM・ゾンデンゲンシスと混同されてきた。
この花を最初に記載したD.プレインまでも、M・シヌアータの変種としたくらいである。
 (塔公の北)  (泉華灘 標高3940m)  
泉華灘でみた個体は、一見、ホリデュラではないかと思うほど。
よく見ると、左の株は元あった茎が根元で折れ、脇から花柄が分かれて出ている。また、右の株は茎が途中で折れ、その後、茎の下部から花柄が出たと思われる。これから伸びようとする茎が風で折れたり、動物に齧られたりすると、花は種を残そうと、けなげにも必死の努力をする。
現場へ行かない研究者は、こんな株を見てすぐ「新種」だと、言い出す。M・マナスレンシスがいい例だ。

いずれも泉華灘で。   (標高3940m)
 
四川省の花旅の第一の目的は、実は、青いケシではなかった。あるアヤメを探すこと、それも黄色いアヤメだ。
南半球の南アフリカにはアヤメの仲間、モラエア属があり、黄色い花もありるが、北半球ではヨーロッパ原産の黄菖蒲(Iris pseudacorus) やトルコのアイリス・ダンフォルディア(Iris danfordiae)くらいなもの。そのうえ、外花弁も内花弁も開平する不思議な花。1922年スウェーデン人医師が採集したが、不完全なままで詳細はわかっていなかった。その後1992年に英国人登山家がミニヤコンカ付近で写真に撮った。それを元に植物研究家の荻巣樹徳氏が2002年にミニヤコンカの西で再発見。(荻巣樹徳「幻の植物を追って」から)
昨年、別の場所で偶然この花を見つけたガイドからの報告で、勇躍、探索することになった。
 
  イリス・ナルキシフローラ(Iris narcissiflora)     
 
高さ15~20㎝、花の直径3.5㎝。地面から細い茎をすっくと伸ばし、先端に1個花を付ける。花弁にはオレンジ色の斑点があり、外花弁、内花弁とも平たく開く。葉は茎の途中から1枚でる。(荻巣氏の説明では、茎に葉は付かないとあるが、間違い。葉だけ出ている株もある)
日当たりのよいシャクナゲやモミなどの低木林やブッシュの中に、数株まとまって生える。種名のナルキシフローラはスイセン。中国語では水仙花鸢尾。

          (新都橋の北 標高3900m)
 
     
 この季節、 短い夏の太陽の恩恵を争うかのようにさまざまの花が一斉に開花する。野はまさに百花繚乱。
 コマストマ・プルモナリウム
(Comastoma pulmonarium)

日本のサンプクリンドウ
(三伏竜胆)と同じ仲間。



 (どちらも 
  塔公の北 標高3760m)
ヤナギラン
(Epilobium angustifolium)

山火事や崖崩れの後に、真っ先に生えるパイオニア植物。
   
スクテラリア・
ヒペリキフローラ

(Scutellaria hypericifolia)

タツナミソウの仲間。
 (塔公の北 標高3760m)
  ゲンチアナ・シノオルナータ
(Gentiana sino-ornata)

なかなか開かないリンドウも
陽が出てくると…ついつい。


((折多山峠南 標高4300m)

 
 ペディクラリスの仲間
(Pedicularis sp.)

ゴマノハグサ科
シオガマギクの仲間。



 (道孚の南 標高3900m)
 
アユガ・
オバリフォリア

(Ajuga ovalifolia)

シソ科
キランソウの
仲間。 

(道孚の南
 標高3900m)
 
   
ペディクラリス・シフォナンタ
(Pedicularis siphonantha
 var. delavayi)

(いずれも泉華灘 
 標高4000m)
 
 
アコニツム・ギムナドルム
(Aconitum gymnadrum)

根に毒を持つトリカブト
(鳥兜)の仲間。
 
  デルフィニュウム・
グランドフロラム

(Dephinium grandiflorum)

花びらの先端に斑点が
ある。この種は、園芸化
され欧米で広く愛好され
ている。


 (いずれも泉華灘 
 標高4000m)
 
インカルビレア・マイレイ
(Incarvillea mairei)
 
   
   夏、暑苦しいオレンジ色の花をたくさんつけるノウゼンカズラ(凌霄花)の仲間。こちらは涼しげだ。
メコノプシス・プラティ
(Meconopsis prattii)

ミニヤコンカの西にある泉華灘は石灰岩の山から流れ出す水で石灰棚を作られつつある。今はまだ数個の池しかできてないが、数千年後には黄龍と同じような石灰池をいくつも作るだろう。
その池の一つのほとりにプラティが咲いていた。
物憂げにたたずむ姿は、目覚めたばかりの水の妖精ようでもある。



(泉華灘中段  標高4030m)



(おしらせ)
★能「融(とおる)」を演じます。
私の属している春綱会(金春流能楽師 山井綱雄師の社中)が初めて国立能楽堂で発表会を開きます。
今回は私のを入れて能が3番、舞囃子が10番と華やかな会になります。(地謡、囃子方は皆プロです)

昨年父が亡くなった時、ネパールの山中にいて葬儀に参列できませんでした。私なりの葬送(追善)としてシテを演じます。
また、母の七回忌、そして私自身の古希祝いも兼ねて舞います。
ご興味があればお運びください。
日時: 2019年9月22日(日) 午前10時~午後6時30分 (私の出番は午後0時30分頃から1時間半)
場所: 国立能楽堂 JR千駄ヶ谷駅徒歩5分

入場無料。事前許可のない撮影、録音、録画はできません。

 

 あらすじ  
都へ上ってきた旅僧が六条河原の院あたりで休んでいると、桶を担いだ老人が現れる。この地の謂れを聞くと、左大臣源の融の屋敷跡で、昔、融が東北の塩釜の風景を都に作り、塩を焼かせて、一生を遊び暮らしたが、今は誰も面倒を見ていないと答え、昔を懐かしみ、自らの老いを悲しむ。また、僧の尋ねに応じて、音羽山や大原、嵐山など都の名所を楽し気に教える。
そして桶を池に入れ、塩を汲むかと思うと、立ちどころに消え失せる。
僧は通りがかった町人に、この話をすると、町人は「それは源融の亡霊」だと教える。夜半、 僧の前に源融の亡霊が現れ、生前の豪奢な遊びの様子を語り、舞い、名残を惜しみつつ、明け方の月の中に消えてゆく。



(写真は山井綱雄師、撮影は辻井清一郎氏)
 
番組表はここをクリックしてください。

(詳しい解説と詞章はここをクリックしてください)


★「登山時報」にブータンの青いケシを掲載しています。
昨年5月から日本勤労者山岳連盟(労山)の機関誌「登山時報」に、2年前(2016年)に訪れたブータンの青いケシについて文と写真を掲載しています。前回ご案内した以降の分(2018年10月号~2019年8月号)のページをWebページに掲載し、閲覧できるようにしましたので、ご興味があれば、それぞれの号をクリックしてご覧ください(PDFファイルです)。
2018年10月号
2018年11月号
2018年12月号
2019年1月号
2019年2月号
2019年3月号
2019年4月号
2019年5月号
2019年6月号
2019年7月号
2019年8月号

2019年9月号(最終回)11月からは中国の青いケシについて連載を予定。

2018年5月号~2018年9月号はこちらをクリックしてください。(前回ご案内したWebページの最下部にあります)

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